1600万年前のクジラは新種だった 日本初の首長竜発見者が発掘

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西堀岳路
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 福島県いわき市教育文化事業団は11月、市内で27年前に発見されていたヒゲクジラの化石が新種と判明したと発表した。1600万年前の前期中新世のもので、県内で新種とされた哺乳類化石のなかで最古となる。発掘したのは54年前、同市内で日本初の首長竜・フタバスズキリュウの化石を発見した鈴木直さん(71)で、新種と突き止めた論文の共同執筆者も務めた。

 クジラの化石は1995年9月、県立いわき光洋高校近くの道路工事現場で見つかった。たまたま化石愛好家だった測量会社員が、一部を掘り出して同事業団の主任研究員だった鈴木さんに持ち込んだ。これを見た鈴木さんはすぐにヒゲクジラの下あごの一部だとわかり、「なんて保存状態がいいんだ」と驚いて現場へ駆けつけた。

 3日間かけて掘り出したが、上下のあごの骨以外の部分は、周囲の土と一体化してブロック状の岩になっていた。サメの歯も一緒に見つかり、骨に食い込んだものもあったこと、頭骨が裏返しになっていたことなどから、サメに襲われて死んだか、死後に食べられた可能性もあるという。

 岩盤から骨の部分を一つずつ取り出すクリーニング作業に7年かかった。見つかった骨格には尾の部分などがなかったが、7メートル余りの推定体長のうち、頭など約4・5メートル分があった。昔の地層の名前といわき光洋高校から「ナカヤマコウヨウクジラ」と命名された。

 頭骨、背骨、肩の骨、あばら骨。クリーニングしながら鈴木さんは「これほどそろっているとは」と武者震いしながら、「新種かもしれない」との確信を深めたという。鼻骨が長く長方形で、下あご骨の長く角張った部分が特徴的だった。

 クジラ化石を専門とする木村敏之・群馬県立自然史博物館生物研究係長らと論文を共同執筆し、古生物学会誌に採用された。現在のナガスクジラに至る進化の過程を考える上で貴重な発見という。

記事後半では、ドラえもん「のび太の恐竜」に登場する「フタバスズキリュウ」を見つけた鈴木さんの思いを紹介します。

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