「弱者に手厚く」のはずが水ぶくれ 補正予算、平時への移行ほど遠く
西尾邦明 阿部彰芳
岸田政権による経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算が2日の参院本会議で、自民党、公明党、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。物価高騰対策が柱で一般会計歳出は28・9兆円と巨額だ。コロナ禍の「例外からの脱却」はほど遠く、政権浮揚の狙いも評価は割れる。
今年の補正予算の追加歳出は1次と2次で計31・6兆円。22年度全体では139・2兆円となり、過去3番目の規模に膨らんだ。
「今まさに例外から脱却し、平時への移行を図るべきタイミングだ」
財務相の諮問機関である財政制度等審議会が11月29日に鈴木俊一財務相に手渡した建議(意見書)はそう強調する。5月の建議でもコロナ禍で膨張した財政運営について「戦後最大の『例外』」とし、転換を求めてきた。
それらは財務省の意向を色濃…

富はどこへ 異次元緩和10年 5つのなぜ
金融緩和とは結局、何だったのか。分かりやすいイラストや専門記者の解説で探るとともに、私たちの暮らしへの影響を検証します。[記事一覧へ]