女性市長が2代続き、計20年にわたって市政を担ってきた兵庫県尼崎市で今月、久々に男性市長が就任した。ジェンダーギャップ(男女格差)が146カ国中116位という日本で、女性首長が2人続くことは極めてまれ。この20年で市政にもたらされた変化を追った。(中塚久美子)
2002年12月、全国最年少(当時)の女性市長として就任したのが、42歳の白井文さんだった。
5党相乗りの現職を破っての初当選に街は揺れた。それまでの市長は多くが市職員出身。白井さんは市議を8年務めたが、航空会社の客室乗務員という経歴も異色だった。
大阪市に隣接する尼崎市は、重厚長大産業で発展した。市の人口ピークは1970年の55万人。その後は企業の転出などで税収が減る一方、市の開発は続いて借金が増え、福祉は削られた。市民の将来への危機感が市長選の結果に表れた。
だが、「市の再生」を掲げた白井さんは、のっけから「異質なもの」への壁の厚さを思い知る。
「私は前市長派ですから」
幹部職員と腹を割って話そう…
- 【視点】
「子どもが成人するまでの間ずっと、女性リーダーを当たり前のように目にすることになった。そこには大きな意味がある」とのコメントに首肯しました。日本は小学校の先生には女性が多いですが、校長など管理職は男性が多く、中高大と教育段階が上がっていくと

Think Gender
男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る]