サッカーW杯の1次リーグで日本がスペインを破った興奮が冷めやらぬ中、マドリードを舞台にした宝塚歌劇団の月組公演「ELPIDIO(エルピディイオ)~希望という名の男~」が12月3日、大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで始まった。光も影も演じられる男役スター鳳月杏(ほうづき・あん)が主演し、おとなの味を存分にみせている。
自分を隠さず、自分を生きる――。難しい。社会の状況が厳しい中では、なおさらだ。それでも希望をもつ意味をすがすがしい展開で届ける。
植民地が次々に独立し終焉(しゅうえん)を迎えた20世紀初めのスペイン帝国。国の行く末を案じる若者たちがマドリードの酒場に集う。その中に謎の男、ロレンシオ(鳳月)がいた。ひょんなことから軍の大佐でもある侯爵の「替え玉」にされ、すったもんだの末、侯爵の妻パトリシア(彩みちる)と恋に落ちる。ELPIDIOとは、戦争や軍の弾圧への憤り、苦しみを詩にうたって、新聞に投稿していたロレンシオのペンネームだった。
ニュースレター【月刊タカラヅカPlus】
タカラヅカをもっと近くに。スターのインタビューやOGの活躍をメールでお届けします。
作・演出・振り付けは謝珠栄…