「時給1兆円」 縮む財政規律 安倍氏路線継ぐ萩生田氏の暗闘

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森岡航平
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 岸田政権が打ち出した経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算が2日、成立した。規模は一般会計で約29兆円。財務省が当初まとめた額より4兆円も積み増された予算額だった。何があったのか。

 10月26日午後2時半、東京・永田町自民党本部9階にある会議室で、物価高対応などの経済対策を議論する党政調全体会議が始まった。2日後に、政府による経済対策の閣議決定が控えていた。

 最大の関心は、その規模。党内には「50兆円規模」を求める声さえもあるなか、財務省が20兆円台半ばに抑え込もうとしているのではないか、との観測が広まっていた。

 会議開始から間もなくのこと。会議室の前方中央に座る、仕切り役の萩生田光一政調会長(59)の携帯電話に着信があった。岸田文雄首相(65)からだった。

 「官邸に財務大臣が来て経済対策について説明を受けている」

 中座した萩生田氏は、岸田首相から告げられ、こう念を押された。「政調会長は、この額で納得しているのか」

 この額とは「25・1兆円」。同じころ、党本部から約600メートル離れた首相官邸で岸田首相は、鈴木俊一財務相(69)や財務省幹部から経済対策の説明を受けていた。そこで岸田首相が財務省から示された額だった。

 萩生田氏が主張していた「30兆円を超える規模」との開きに、岸田首相が確認の電話を入れたのだった。

 「そんなの聞いていません。こちらはまだ中身を議論していますので」と萩生田氏。努めて冷静に答えた。

永田町に響く怒号

 党内でまさに議論をしている…

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    内田晃
    (朝日新聞政治部次長)
    2022年12月4日16時7分 投稿
    【視点】

     自民党内ではこの春、安倍元首相を中心とした積極財政派と、財務相経験者らが集う財政規律派が、税財政の中期見通しをめぐりぶつかり合いました。ただ、いま双方の「対立軸」がいまいち見えにくくなっています。  政権内では首相の求心力が低下し、