11月30日午前。日本周辺の空域を監視する航空自衛隊航空総隊(東京・横田基地)のモニターが、東シナ海方面から日本に近づく機影を捉えた。
「スクランブル!」。九州の空自基地からF2戦闘機などの編隊が次々と緊急発進した。機影は中国のH6爆撃機2機。日本が防空のため領空の外側に設定した防空識別圏(ADIZ)に入り、対馬海峡を通り、日本海に向かっていた。
ほぼ同時刻、ロシア軍機とみられる2機も日本海を南進していた。2機は島根県沖の北緯38度線付近で南下をやめ、同じ空域を旋回するような動きを繰り返した。この空域に北上した中国の爆撃機が到達すると、「中国軍機を待っていたかのように」(防衛省幹部)4機は並んで飛行した。
中ロの動きはこれで終わらなかった。
同日午後には、中国のH6爆…