強まる中国とロシアの軍事連携 「二正面で有事」テーマに日米が演習
編集委員・土居貴輝
中国とロシアがこの数年、日本周辺で軍事的な連携を強めている。これまで日本は中国の西太平洋への進出を念頭に、南西地域の防衛態勢を強化してきた。しかし、「中ロ連携」という新たな戦略課題に対し、自衛隊と米軍の訓練にも変化が出始めている。
中ロの爆撃機による日本周辺の長距離の共同飛行訓練が初めて確認されたのは、2019年7月だった。以降、年1回ペースで続いており、爆撃機に加えて、中国軍から戦闘機が、ロシア軍からは情報収集機が随伴するケースもあった。今年は5月24日に続いて11月30日にも行われ、2回目となった。
政府関係者によると、11月30日の共同飛行に関連して、ロシア国防省のSNSでは「中国機がロシア国内の飛行場に、ロシア機が中国国内の飛行場にそれぞれ初めて着陸した」との内容の発信が確認されているという。5月の共同飛行の際には、中国国防部は「中ロ両軍の年度軍事協力計画に基づき、両国空軍は日本海、東シナ海、西太平洋海域上空で定例の共同空中戦略巡航を実施した」と発表した。
両国の連携強化は、空軍にと…