「足つかみ宙づり」園児虐待の保育園に家宅捜索 暴行容疑で静岡県警
静岡県裾野市の私立の認可保育園「さくら保育園」で、女性保育士3人が園児の足をつかんで宙づりにしたり倉庫に閉じ込めたりしていた問題で、県警は4日、暴行容疑で保育園に家宅捜索に入った。
4日午前8時過ぎ、青色の箱を抱えた捜査員十数人が、さくら保育園に入っていった。
これまでの園や市の調査によると、6月~8月、1歳児を受け持っていた保育士3人が園児に対し、宙づりにするなどのほか、頭をバインダーでたたいて泣かせる▽ズボンを無理やり下ろす▽容姿を馬鹿にした呼びかけ、などをしていた。3人はいずれも退職しているという。
8月に関係者から市に通報があり、園の内部調査で15項目の悪質行為が認定され、11月30日、市が記者会見で公表した。県警は29日、市と協議して情報を共有していた。
園は10月下旬、保育士全員に問題を口外しないよう求め、「業務中に知り得た園児および園内関係者の個人情報、資料、園の機密事項などを第三者に漏洩(ろうえい)しないことを誓約」させる書面を取っていた。村田悠市長はこうした行為を「隠蔽(いんぺい)」だとし「園長は虐待行為を知っていたのにもかかわらず、その事実を隠蔽していた。責任は重い」として刑事告発する意向を示していた。園に対しては12月3日、県と市による共同の特別指導監査も行われた。
園が確認したとされる不適切な保育
・ロッカーに入って泣いている園児の姿を携帯電話で撮影
・園児の頭をバインダーでたたき泣かせる
・棚に入った園児の足をつかんで引っ張りだし、足をつかみ宙づりにする
・あらかじめ遅刻すると連絡があった園児に対し、腕を引っ張り、「遅いんだよ」と怒鳴る
・午睡時、寝かしつけた園児に対し、「ご臨終です」と何度も発言
・泣かない園児に対し、額をたたき無理やり泣かせようとする
・昼食時に園児を怒鳴りつけ、ほおをつねる
・日常的に特定の園児に対し、にらみつけ、声を荒らげ、ズボンを無理やりおろす
・園児を宙づりにした後、真っ暗な排泄室(はいせつしつ)に放置
・園児の容姿をばかにした呼びかけ(ブス、デブなど)、暴言を浴びせる
・手足口病の症状がある園児の尻を、無理やり他の園児に触らせる
・給食を食べない園児に対し、突然、後ろから頭をたたく
・不適切な発言をして、おもちゃが入っている倉庫に閉じ込める
・園児に対し、カッターナイフを見せ、脅す
・丸めたゴザで園児の頭をたたく
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