クロアチア出身の妻は日本に計9年以上住んでいる。残念ながらサッカーに興味はない。むしろちょっと苦手だ。
日本人「どこ出身ですか?」
妻「クロアチア出身です」
日本人「あ! サッカー強いですよね!」
妻「そうですね。サッカーは人気です」
こんなおなじみのやりとりには、もう慣れたようだ。でも、サッカー以外にも良いところはたくさんあるんだけどね……。そうつぶやくことがある。夫である私は「『クロアチアってどこ? ヨーロッパ?』よりは良いんじゃない」と慰める。ちなみに実際にそう言われたこともあった。
6日午前0時、サッカーワールドカップで日本が再びクロアチアと勝負する。ワールドカップでは3度目。そのたびに「サッカー強豪国クロアチア」がクローズアップされている。
だが、もちろんサッカーだけではない。日本がアニメだけの国でないように。ある国には魅力もあれば、問題もある。癒えない「傷」もある。日本人の夫として私が体験してきた等身大のクロアチアを、その日常や人間を紹介したい。なぜ妻はサッカーが苦手なのか。その感情も少しだけ理解してもらえるかもしれない。
私たちは都内の大学院で同じ研究室に所属していた。妻はすでに高校時代、大学時代と2回留学をし、大学院入試も日本語で受けた。国際政治や歴史が好きで、すぐに意気投合した。
記者はこれまでに3回クロアチアに行きました。アドリア海やクロアチア料理だけでなく、妻の家族や友人、隣人とふれ合いながらこの国の日常を体験しました。結婚式も開きました。記者が見つめた等身大のクロアチアを写真とともに紹介します。
私が最初にクロアチアを訪れたのは、2017年の夏だった。結婚することをご両親に伝えるというミッションがあった。
緊張していた私を待っていた…