逆転劇は、そのダッシュから始まった。
1日の1次リーグ(L)最終戦のスペイン戦。
後半3分、FW前田大然(だいぜん)(25、セルティック)は最前線で猛然とGKシモンにプレスをかけた。
逃げるような浮き球のパスを誘い、MF伊東純也が競り勝ってボールを奪う。MF堂安律が同点シュートを蹴り込んだ。
「GKにプレスをかけるのは、いつか自分の足に当たってゴールに入ると思ってやっている。それは100回に1回かもしれないけど、僕がボールを取れなくても、チームメートが取れることもある」
わずかな可能性でも信じて走る。
それが前田の強みだ。
「ディフェンスの力」「プレスの力」だけじゃない長所
スタイルを確立したのは山梨学院大付高(現・山梨学院高)から2016年に加入したJ2松本山雅FC(現在はJ3)時代だ。
「あのチームがなかったら今の自分はない」と感謝する。
いくつものJリーグのクラブ…