交差点の長い髪の後ろ姿に重ねる思い 10年間唱え続けた娘たちの名
息子や娘はなぜ20代という若さで命を落とさなければならなかったのか――。2012年12月2日、山梨県大月市で中央道笹子トンネルの天井板が崩落した事故。発生から丸10年を迎えた今月2日、犠牲者の父親や母親たちが現場付近であった慰霊式でのあいさつに立ち、それぞれの10年について語った。
森重之さん(当時27)の父・森和之さん
10年経って思い続けてきたのは、ただただ、重之に生きて様々な人生経験をしてもらいたかったということです。人生これからのとき。いろいろとやりたいことがあったと思います。
折に触れて、追悼の思いをつづってきました。今回初めて読み返してみましたが、いつも書いているのは、ほとんど同じようなことです。
一つは、森重之が立派に生きていたということです。私たちの息子に生まれ、明るく優しい素敵な青年に育ってくれた重之にありがとうと言いたいです。
もう一つはなぜこうした不条…