アルゼンチン、一転して際立つ手堅さ メッシ「我々には絆がある」
(3日、決勝トーナメント1回戦 アルゼンチン2-1オーストラリア)
1次リーグのアルゼンチンは、初戦を落とした後の2戦は激しく前に出ていた。一発勝負のトーナメントに入ったこの日、打って変わって手堅さが際だった。
前半のシュートはわずかに2本。その2本目を、メッシが仕留めた。
前半35分だ。起点は、自らが右サイドから蹴ったFK。はね返されたボールが再び足元へ戻ってきた。横につなぎ、次の縦パスがゴール前のオタメンディに入ったところへ走り込んだ。
オタメンディがボールの処理を誤る。大きくはねたボールをさらい、ゴール左に流し込んだ。
一見すると簡単なゴールのようだが、駆け引きにあふれるプレーだ。
メッシはシュートを打つ前、3人の相手選手に寄せられていた。巧みなドリブルで相手の足を開かせ、股下にシュートを通すコースを作り出した。
その選手たちの姿が、GKにとっては目隠しになった。シュートの出どころが見えにくくなり、ボールに触ることもできなかった。
メッシは後半も効果的にチャンスを作り続けた。試合後、自らのゴールを振り返るよりもチームのことばかりを語った。「新たな一歩を踏み出せてうれしい。我々には絆がある」。献身的なエースに導かれての8強入りだ。(潮智史)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。