2016年1月31日のことだ。
アビスパ福岡の練習試合を宮崎市内で取材した。
ピッチサイドで写真を撮っていると、ひときわ体の細い選手がファインダーに入ってきた。
足元の技術はそれほど高くはない。
でも、印象に残った。
絶えずピッチで首を左右に振っていたからだ。
敵味方の位置を常に把握し、次の動きを予測する。
視野の広い選手だなと思った。
それが冨安健洋だった。
17歳だった。
サッカーを始めたきっかけは「あごのケガ」
この年、福岡は5季ぶりにJ1を戦うことになっていた。
冨安はすでにプロ契約を結ん…