入院生活の子どもたち、寄り添う医学部生 学習支援や家族イベントも
佐藤善一
入院生活を送る子どもたちを支える学生のボランティア団体がある。横浜市立大医学部の学生たちが中心に活動する「one by ONE」だ。家庭教師として勉強を教えるだけでなく、患者と家族が交流できるイベントも企画。市大付属病院から始まり、活動拠点は神奈川県外にも広がっている。
「気にかけている人がいることを子どもたちに感じてほしい」――。これが団体の発足当時から貫くコンセプトだ。医学部6年の前田憲人さん(29)が2018年12月、仲間たちと立ち上げた。
院内学校が併設されている病院でも、入院期間の見通しが立たず、学習支援を受けられない子どもが多いという。そうした状況の子どもたちと間近で接する中で、「医学部生の自分たちに何かできないか。少しでも楽しい時間を過ごしてほしい」と、同大ボランティア支援室などの助けを借りて活動を始めた。
原則、週に1時間、病室の子どもとオンラインで結び、画面越しに勉強を教える。授業内容は自由。希望を聞いて、教科書や問題集、英検対策にも取り組んできた。子どもの表情や体調を見て、雑談で終わる日もある。「退院後に学校生活に戻る時の支えと自信になります」。そんな子どもたちの声に、学生自身がやりがいを感じてきた。
入院患者のため、一般的な学…