文系博士号の後、無かった就職先 移住者が語る社会からの「避難所」
椎木慎太郎
奈良県東吉野村に私設図書館を開いた男性のトークイベントがこのほど、福岡市内の書店であった。男性は博士号を得ても就職先が見つからず、自ら田舎に「避難所」をつくって暮らす。何に重きを置いて生きていくか、という人生の選択肢について語った。
男性は青木真兵さん(39)。古代地中海史の研究で博士号を取ったが、研究者としての就職先が見つからなかった。大学の非常勤講師と小中学生向けの進学塾の講師を掛け持ち、残った時間を論文に費やした。ただ、時には業績を得るために関心のない研究をすることも。生産性や効率を求められ、息苦しかったという。
自然豊かな環境に癒やされ…