清水建設が狙う風力の洋上シフト 巨大な作業船を自前でつくったわけ

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聞き手・高橋豪
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 2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)に向けて、大型の洋上風力発電施設が各地で計画されています。風車の大型化にともない、建造に使われる自己上昇式作業台船(SEP(セップ)船)も今後は巨大化が進んでいくと考えられています。10月に世界最大級の船を建造したゼネコン大手・清水建設の半田公男副社長に、ねらいを聞きました。

――約500億円を投じて、全長142メートル、総トン数約2万8千トンの世界最大級のSEP船をつくりました。

 「当社はもともと、国内の陸上風力の施工で約2割のシェアを持っています。風車の取り付けには大型の専用クレーンが必要ですので、SEP船を持つことで洋上風力の工事にも技術を生かせます」

 「軸足は陸上から洋上に移っていくと思います。全体で5兆円といわれる市場があるので、そのシェアをおさえるという目標を持って建造に取り組みました」

 「いま日本にある規模のSEP船は、大型の風車工事では生産性が低くなってしまいます。海外から船を借りてくるにも時間とコストがかかりますし、世界で取り合いになってもいます。どう確保するか議論し、19年に自社で建造するという結論に至りました」

工期の大幅短縮が可能に

――洋上風力は大型化していく…

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