第19回炎天下に部活の大会準備10時間 休みなき夏休み、教員を襲った異変

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高浜行人
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 3年前の8月、関西のある県の河川敷。公立中学校教員の30代男性は、とまらない汗を手でぬぐった。

 容赦なく照りつける太陽の下、草刈り機を黙々と押す。グラウンド近くの草むらに駐車スペースを作るためだ。

 このグラウンドで夏休みに開催される、ある球技の大会が迫っていた。

 男性はこの球技の部活の顧問をしていたことから、作業に駆り出された。

 他校から集められた教員たちと草を刈り、生徒を乗せるバスの動きをシミュレーションして駐車位置を決め、区切り線を引いた。

 そんな業務が1日に約10時間。大会が始まると車の誘導などに従事した。

 自宅から自家用車を使い、高速道路を1時間ほどかけて会場に通う。それが半月ほど続いた。

 いま振り返れば、「なんでそんなことせなあかんのか」と思う。

 当時はうまくやり遂げなければならないというプレッシャーが大きく、疑問は持たなかった。

 後に、交通費として3万円が振り込まれた。

 日当はなく、高速料金やガソリン代にも満たない金額だったが、感覚がまひしていたのか「ラッキー」とすら思った。

 異変が起きたのは、ほとんど休めずに迎えた夏休み明けのことだった。

連載「いま先生は」

授業だけでなく、事務作業や保護者対応、部活動……。さまざまな仕事を抱え、悩み、疲れ、それでも前に進む。そんな先生たちのリアルな姿を報告し、働き方のこれからを考える連載「いま先生は」。第3部では、部活指導の実態を取り上げ、今後のあり方を探ります。

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 男性は2012年、中学の英…

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