その遺志はいまもなお、日本代表のなかで受け継がれているように感じる。
2006年から07年にかけてサッカー日本代表監督を務め、今年5月に80歳で亡くなったイビチャ・オシムさん。
国内外で尊敬を集め、多くの影響を与えた「知将」の薫陶を受けた人たちがいま、カタールでの日々を支えている。
5人体制のトレーナー陣のチーフ、前田弘アスレチックトレーナー(57)は、オシムさんが03年に日本で最初に監督に就いたJリーグのジェフ市原(現千葉)でトレーナーを務めていた。その縁で07年に代表のスタッフになった。
オシムさんは脳梗塞(こうそく)に倒れ志半ばで代表監督を退いたが、前田さんはカタールが4大会連続でのワールドカップ(W杯)になる。
ジェフ時代、オシムさんが選手たちに言い聞かせていた言葉を心に刻み込む。
「練習でできないことが、ゲ…