季節外れのツバメの子育て、家主は驚いた 寒さに耐えた親子の巣立ち
この秋、ツバメが岡山県新見市の民家で季節外れの巣作りを始めた。朝晩の冷え込みが厳しくなり、最低気温が0度前後となるような日もあったが、親ツバメは懸命に子育てに励んだ。4羽のヒナが無事に飛び立っていく姿を、家主たちの温かなまなざしが見送った。
日本野鳥の会岡山県支部によると、岡山ではツバメは通常、3月下旬ごろに東南アジアから飛来し、繁殖する。10月中旬ごろに再び東南アジアに飛んでいく。
秋も深まった11月9日、新見市唐松の渡辺美智恵さん(58)は自宅の軒下の巣で、ツバメが何度も往復している姿に気付いた。観察すると、修理していることがわかった。
渡辺さん宅の軒下では毎年のようにツバメが巣を作る。今春もツバメが3羽のヒナを誕生させたが、カラスに襲われてしまった。「今年はもう巣を作ることはないだろう」と残念に思っていたところだった。
□ □
「こんなに寒くなって餌の虫も少なくなって、どうして巣を修理しているのだろう」。疑問は尽きなかったが、ツバメが巣の中にじっといて、卵を温めているような行動をとっていることに気付いた。
「まさか卵を産んでいるのでは」と思い始めたら、11月12日に親ツバメが虫をくわえて戻ってきて、ヒナに餌を与えている姿を目にした。「こんな季節にこんなことがあるのか」。大いに驚いた。
長女(31)や次女(27)…