中国メディア、江沢民氏見送る胡錦濤氏を伝える 党大会後、初の動静
中国国営中央テレビ(CCTV)は5日夜のニュースで、江沢民元国家主席の告別のために病院の会場を訪れた、胡錦濤前国家主席の様子を伝えた。胡氏の動静が報じられるのは、10月22日の共産党大会の閉幕会議で途中退席して以降、初めて。
胡氏は習近平(シーチンピン)国家主席ら現役幹部とともに、江氏の遺体が安置された北京市の人民解放軍総医院(301病院)を訪問。習氏に続いて江氏の遺体の横を歩いてお別れを告げたり、江氏の親族にお悔やみを述べたりする映像が流れた。
党大会での胡氏の退席劇を巡っては、当時、国営新華社通信が英語版の公式ツイッターで「体調不良が原因」と説明したが、胡氏が自らに近い李克強(リーコーチアン)首相や胡春華副首相が冷遇されたことで「党人事への不満を示した」との臆測も飛び交っていた。
ただ、習氏と並んで歩く胡錦濤氏の姿からは、現政権とのあつれきを感じさせる様子はなかった。胡氏は後方に介添えの係員を連れていたものの、しっかりとした足取りで歩いていた。胡氏は江氏の葬儀委員会のメンバーにも名を連ねており、6日の追悼大会にも出席する可能性がある。(冨名腰隆)
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- 【視点】
10月の第20回党大会で話題になった「人事に不満を持った胡錦濤が強制的に退場させられた」とする説は、明確に間違いと判明したと言い切って良い状況かと思います。 江沢民の死を報じる中国側の報道を見ても、習近平の次に胡錦濤の顔が映っているも