室井滋さんが館長就任へ、「令和」考案者からバトン 高志の国文学館

伊藤稔
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 富山県の新田八朗知事は5日の会見で、高志(こし)の国文学館(富山市舟橋南町)の中西進館長(93)が今年度末に退任し、新しい館長に富山県出身の女優でエッセイストとしても活躍している室井滋さんが就任すると発表した。

 会見には室井さんも同席し、「お年寄りから小さな方々に見合った企画を考えるので、ぜひ足をお運びいただきたい」と話した。

 室井さんを選んだ理由について、新田知事は「気さくな人柄や女優として数々の映画などに出演している親しみやすさ。作家としても数多くの絵本やエッセーを執筆し文学に深いかかわりがある」ことを挙げた。

 今年の秋に新田知事から館長就任の打診を受けたという室井さんは、「『えー』って申し上げたのが最初の言葉。だが、よくよく考えればエッセイストは文学の一部で、女優業も脚本や原作本を拝見して演じる。私の仕事も文学の一部かもしれない」と就任を考えるようになったという。

 朗読のイベントで、全国の図書館や文学関連の施設に行っており、そうした経験も役に立てたいという。

 高志の国文学館は、富山ゆかりの文学作品を紹介する施設として2012年に開館。今年で10周年を迎えた。一方、来館者は中高年が多く、若い世代が少ないのが課題だった。

 新田知事は次期館長に、県ゆかりの作家や行政経験者らを幅広く検討した結果、「より多くの方々に気軽に足を運んでいただける文学館を目指したいということで、もっともふさわしい人を選定した」と室井さんの手腕に期待する。

 室井さんは、取り組みたい企画を問われ、自身が出演している絵手紙の朗読イベントを例に挙げ、「文学って難しいことばかりではなく、生活の中から生まれてくる短い言葉でもひきつけられることがたくさんある。館同士の交流も図れないかと夢が膨らんでいる」と話した。

 さらに「文学館が学びの場、憩いの場となり、県民の方が発信できる場にもしたい。他の館ともコラボし、県外からたくさんのお客に来てもらう祭りがあってもいいと思っている」と抱負を述べた。

 室井さんは現在、富山のラジオ番組にも出演しており月に2、3回は富山に来ているという。館長に就任すれば「もっと増えると思う」と話している。

 一方、10周年を機に退任する中西館長は、万葉集研究の第一人者で、元号「令和」の考案者とされる。初代館長として越中万葉の魅力を発信するとともに、古典から映画、漫画まで多彩な企画展の指導にあたった。(伊藤稔)

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