前田大然のゴールに「ブラボー!」 渋谷のスポーツバーに響いた拍手
サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本代表は6日(現地時間5日)、決勝トーナメント1回戦となるクロアチア戦に挑んだ。
東京・渋谷のスポーツバー「Fields」は日本代表の青いユニホームを着た人が大勢集まり、身動きが取れないほどだった。日本はPK戦で敗れたが、ファンは拍手で健闘をたたえた。
前半43分、前田大然選手が先制ゴールを決めると、テレビを見つめていたサポーターらが円になって、拳やグラスを突き合わせ、声を上げた。「ブラボー!」「よっしゃ!」
大学のゼミ仲間と訪れた小泉麟太郎さん(23)は「コロナ禍もあって初めてスポーツバーに来たが、みんなで一緒に応援するのは楽しい。求めていた一体感があった」。
後半10分に同点に追いつかれると、悲鳴が漏れ、頭を抱える人も。「やばいやばい!」「あー!」。ただ、重苦しいムードが店を包んだのもつかの間、「まだまだ!」「今のは仕方ない」と、盛り上がりを取り戻した。
延長戦に突入しても、店内の熱気は衰えなかった。飲んでいたグラスを置いて、真剣に中継を見つめる人の姿も。「いいぞ!」「うまい!」。画面の向こうの日本代表を励ますように、選手が好プレーを見せるたびに声援を送るサポーターもいた。
日本代表のユニホームを着て応援していた会社員の男性(42)は祈るように画面を見つめていた。「ここにきてスペイン戦で劇的なゴールを見せてくれた田中(碧)と、三笘(薫)がそろった。絶対にやってくれると信じている」
延長戦を終えて、PK戦へ。クロアチアの4人目がシュートを決め、日本の敗退が決まった。店内は一瞬の悲鳴のあと静まりかえったが、涙を流す選手らの姿が画面に映ると、拍手が巻き起こった。
都内の会社員、岡本邦宏さん(46)は「前回準優勝のクロアチア相手にここまで戦えたのは、日本のサッカーが進歩しているということだと思う。選手たちには夢を見せてくれてありがとうと言いたい」と話した。
スポーツバーを出た。午前3時過ぎのスクランブル交差点近くにいたのは、ビルを見上げている女性2人組。その一人、横浜市の会社員女性(27)は「ツイッターで(吉田)麻也が(交差点の)ライブカメラを見ていると知って、手を振ろうと来た」と話す。近くのスポーツバーで観戦していたという。「強豪相手に、何度も熱い試合を見せてくれた。敗退は残念だが、私のように元気をもらったサポーターはたくさんいると思う。ありがとうと伝わればいいな」(松田果穂)
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