赤く染めたショートカット。勝利すれば、「ブラボー!」と雄たけびを連発――。サッカー日本代表、長友佑都選手が今回のワールドカップ(W杯)カタール大会で見せた様子は、華やかで底抜けに明るい印象を人々に与えた。その「超ポジティブ」さはチームを鼓舞し、一体感をもたらすことにも大きく貢献した。
決勝トーナメント進出を決めた、スペイン戦前のインタビューでは「ピッチの上に大の字に寝そべって頭の中を空っぽにしたとき、試合後に『ブラボー!』とほえている自分の姿が明確に浮かんだ」と熱弁。「予言」を的中させもした。
そんな長友選手から、「ポジティブ思考」の重要性を繰り返し説かれた、という人がいる。1年前までパーソナルトレーナーをしていた鬼木祐輔さん(39)だ。2017~19年の3年間は、イタリアやトルコで行動を共にした。
長友から返ってくるのはいつも同じ一言
当時、長友選手はヨーロッパの強豪チームに在籍し、厳しい競争の中で過ごす日々を送っていた。
自身が好んで身を置いた「苦境」だったが、欧州チャンピオンズリーグで優勝したばかりのインテル・ミラノ(イタリア)に移籍したときには、周囲の選手たちのレベルの高さに、こう漏らした。
「やべえところに来ちゃったな」
チームの全体練習とは別のメ…