この春まで放送され、話題を集めたNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。チャプリンのような踊りをみせた、初代ヒロインの兄・算太の存在が物語のひとつの核となりました。振り付けをしたのは元タカラジェンヌの牧勢海さん。雪組で男役として活躍し、2003年に退団後は、宝塚のOG公演などで出演や振り付けをしてきました。
最初に振り付けたのは、濱田岳さん演じる算太の場面。ダンサーを目指す、と周囲に宣言する算太が格好良くポーズをきめる。テレビの現場で振り付けをするのは初めてだった。
「私がずっと大事にしてるのは、振り付けでも気持ちです。指導している専門学校でも『セリフがないぶん、体で表現するのがダンスだから、気持ちが動かないといいダンスにはならないよ』と話しています。だから、濱田さんが算太という役を気持ちよく演じられるよう、私も算太という役がいまどういう気持ちなのかを追求して振り付けをしました」
濱田さんからかけられた言葉
算太の回想と想像が折り重なる最後のシーンも圧巻だった。
「あの場面もすごくお稽古し…