賃上げしない経営者は「マトリョーシカ人形」 論客が語る反省の弁
聞き手・山下裕志
歴史的な円安もあって物価は上昇するのに、私たちの給料は思ったように上がりません。経済界の論客、サントリーホールディングスの新浪剛史社長は、経営者がお金をためこみ、賃上げに踏み込めない背景に、過去の手痛い経験があると指摘します。
民間が主体となって新たな産業に投資し、高い賃金の雇用が生まれる。こうした経済の「新陳代謝」を促すため、政府は国内投資を減税して優遇し、応援する――。
新浪氏が描くのはこんな「官」と「民」の関係により、賃金が上がっていく将来像です。一方、政府に助言する立場で長く働いた自分自身を振り返り、「じくじたる思いもある」と反省の弁を口にしました。
「アニマルスピリッツ」ない日本
――円安が進み、10月には一時、32年ぶりに1ドル=150円台まで下落しました。
「円安になった理由がいちば…

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