かえってきた夫の軍刀 フランスで競売、名札頼りに愛媛の遺族へ
戸田拓
白寿を来春迎える老婦人は、夫の名が書かれた刀をおずおずとなで、繰り返し頭を下げた。旧日本軍人の所持品だったが、終戦後に接収されて海外に渡り、フランスでオークションにかけられていたひとふりの軍刀。愛媛県宇和島市で6日、競り落とした男性から遺族に手渡された。
届けたのは、フランス南西部で年金生活を送っているミシェル・ラビニュさん(64)。日本刀の美しさを愛し、根付けなど提げ物を収集している。今年4月、オークションに日本人の名が書かれた木札が付された刀が出品されていることを知り、「持ち主がある物なら返されるべきだ」と使命感を覚えたという。
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