ウクライナ全土を対象にミサイル攻撃を続けるロシアの国内で5日、出撃拠点の空軍基地で激しい爆発が起きた。ロシアはウクライナによるドローン攻撃だと発表したが、本土の奥深くでこうした事件が起きたのは初めて。動員問題で不安が高まるロシア国内で、世論がさらに動揺する可能性がある。
爆発が起きたモスクワ南東のジャギレボ空軍基地と、ロシア南部エンゲリス空軍基地は、いずれも核兵器搭載可能な戦略爆撃機Tu95を配備するロシアの遠距離航空部隊の拠点だ。
ウクライナはロシアによる侵攻開始直後から、ロシア国内の爆撃機などから発射されるミサイル攻撃で被害を受けてきた。特に10月中旬からは今月4日までに少なくとも7回攻撃され、全土の電力施設が標的にされた。11月23日の攻撃では首都キーウのほぼ全域で停電や断水が起きるなど、真冬に電力危機が国民生活に及ぼす影響は深刻だ。
ウクライナ空軍によると、Tu95はそうした攻撃の主力航空機の一つ。ロシア南部やカスピ海上空から、千キロ以上離れたキーウなど都市部へ長距離ミサイルを発射してきた。
ウクライナ軍は関与を認めていないが、欧米メディアの間では、次のミサイル攻撃を防ぐためにウクライナが「先制攻撃」をしたとの見方も広がっている。今月初めには、エンゲリス空軍基地でTu95を含む多数の戦略爆撃機が戦闘態勢に入った様子を示す衛星写真が報じられていたからだ。
首都近くや核戦略の拠点を攻…
- 【解説】
専門家の間では、今回の攻撃にソ連製のTu-141無人偵察機を自爆ドローンに改造した機体が使われた可能性が指摘されています。1970年代に開発された無人ジェット機で、元々は上空から対象をフィルムカメラで撮影して帰還し、パラシュートで落下する仕

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