虐待発覚の保育園が再開、保護者「子の心のケアを」 園長は交代へ
静岡県裾野市の私立さくら保育園で、元保育士3人が園児に虐待をしたとして暴行の疑いで逮捕された事件で、臨時休園になっていた同園が6日、再開した。保護者からは園の再開に喜ぶ声がある一方で、子どもらの心のケアを求める声も出た。
6日朝、同園には続々と登園する親子の姿があった。4歳の男の子を預ける30代の母親は「明日から子どもを預けられなかったらと不安だった。再開はありがたい」と話した。3人の元保育士が逮捕されたことについては「やってはいけないことだと思う。ただ、あったかい雰囲気の保育園だと思っているので、信じられない」と語った。
園は5日、市から犯人隠避の疑いで刑事告発された園長の交代の手続きに入ったと発表した。「楽しい良い園長だったのでショック。園の明るい空気が変わってしまうのではないか不安だ」と漏らした。
元保育士3人は今年6月、1歳児のクラスの園児に対し頭を殴ったり、足を持って宙づりにしたりするなどしたとして、暴行の疑いで4日に逮捕された。園は家宅捜索を受けたことなどから、5日を臨時休園とした。再開した6日は120人ほどが登園したという。
5歳の長女を預ける母親は「保育園がなくなったらどうしようと思っていた。園を続けてくれてうれしい」と話した。長女は通園したがっていたといい、「こんな時にも出勤してくれる先生たちには感謝しかない。残った先生たちや通い続ける園児たちの心のケアをしっかりしてほしい」と語った。(阿部育子)
身体的特徴の揶揄をLINEに 悪質行為を追加
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静岡県裾野市の私立さくら保育園で確認された悪質な行為について、市は6日、これまで15項目としていたが、16項目だったと訂正した。新たに追加したのは「撮影した写真に身体的特徴を揶揄(やゆ)するなどの不適切なコメントを記し、1歳児担当保育士のLINEグループに投稿した」というもの。園が8月に提出した調査報告書に記載があった。
市は当初、この項目も「保育士が行った悪質行為」の一つだと認識していたという。ただ、11月30日の記者会見の発表資料を作る際、「ロッカーに入って泣いている園児の姿を携帯電話で撮影」の項目に含まれると考えたという。市の担当者は「撮影するという点で同じと考え、深く考えずに処理してしまった」などと釈明した。(菅尾保)
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