ススキノに立つ昆虫食自販機 意外だった若者の反応
佐々木洋輔
札幌市の繁華街・ススキノに、昆虫食の自販機が点在している。売り上げは上々な上、中高生が課外活動で訪れるまでになった。設置者に話を聞いた。
「昆虫食の認知度は、売り上げとともに少しずつ上がっています」
自販機を設置した氷室信康さんはそう説明する。髪を青く染め、手には冷凍コオロギの袋を持っていた。
氷室さんは、土産品小売り卸売業「ハシエンダインターナショナル」の経営者だ。札幌市清田区に最初の自販機を設置したのは2021年5月。現在はススキノや北区など市内計8カ所に置いている。「売り上げは1年半で約5倍に増えました」と氷室さんは話す。
売り上げ以外にも思わぬ反応があった。
市内の中高生が持続可能な開発目標(SDGs)と昆虫食の可能性を学ぼうと、氷室さんの会社に話を聞きに来るようになったのだ。課題授業の一環で、自由研究のように昆虫食を校内紙で紹介してくれたという。
氷室さんは「貧しかった日本を知る年配の方は、なんで今さら虫なんて……という反応だが、若年層の関心は高い」と説明する。(佐々木洋輔)
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