15年ぶりの再上映 旧統一教会入信の実母を撮影した監督が思うこと
市原研吾
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信した実母を撮ったドキュメンタリー自主映画「belief(ビリーフ)」がこの秋、京都と名古屋で上映された。監督は京都市の映像作家、土居哲真(てつま)さん(46)。15年前に公開された映画で、安倍晋三元首相の事件後に「再上映してみないか」と打診された。「便乗している」と思われないか悩んだが、受けることにしたのは、母にカメラを向けた時と同じ理由からだった。
母は、広島県で一人暮らしをしていた。異変に気づいたのは2004年の年明けだった。
急に「神」という言葉を口にするようになった。土居さんのアパートには高麗ニンジン茶が届いた。インターネットで販売元を検索すると、教団との関係が指摘されている会社のようだった。
母と話をしなくては……。大学院生だった土居さんは急いで帰省した。
母から、03年6月から教団のビデオセンターに通い始めた、と聞いた。わずか8カ月の間に約2千万円を払い込んでいた。うち献金は約1600万円。残りはつぼや絵画、高麗ニンジン茶、印鑑などの代金だった。
「哲っちゃんのことが一番心配じゃった」
なんで入信したのか。どうし…