異例の「防衛力強化資金」創設へ 膨らむ防衛費、税外収入など活用
今後5年で大幅増額する防衛費の財源にあてるため、政府が「防衛力強化資金(仮称)」を創設する方針を固めたことが7日、わかった。歳出改革などで集めた資金をためておき、必要なときに防衛費の財源にする。政府は来年の通常国会で関連法案の提出を目指す。
政府は今後5年の防衛費について43兆円とする方針のため、新たに17兆円ほどの財源が必要となる見込みだ。
歴史的な増額規模となる財源をまかなうため、政府はコロナ禍で手厚い支援を受けた独立行政法人にたまる剰余金や、大手町プレイス(東京都)など国有資産の売却益などを検討している。こうした資金のほか、税外収入などをためておき、防衛費の財源として一般会計に支出することを想定している。
2023年度は資金からの支出の割合が多くなる見込みだ。27年度までに、増税や歳出改革などによる財源確保を進め、今より4兆円ほど増額される防衛費のうち1兆円程度をまかなうことを想定している。
財政法は「国は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる」と規定しており、政府はこれを活用する。決算上の不足分を補う「決算調整資金制度」などに類似する仕組みとなりそうだが、特定省庁の経費をまかなう資金制度は異例とみられる。(西尾邦明、西村圭史)
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