労災支給の取り消し、請求可能に? 「事業主に権利」高裁判決が波紋

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橋本拓樹、編集委員・沢路毅彦
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 労災保険制度が大きな転換を迫られている。国が労災と認定して保険金の支払いを決めた場合、事業主がその取り消しを求める権利は認められてこなかったが、東京高裁が認める判決を出したためだ。国は労災支給には影響しないよう事業主が不服を申し立てられる制度の新設を決めたが、被災者側はそれでも悪影響があるとして、抜本的な対応を求めている。

 ある一般財団法人が、精神疾患を発症した職員への労災保険の支給を取り消すよう求めた裁判で、東京高裁は先月29日、法人には訴える資格がないとした地裁判決を取り消し、審理を差し戻す判決を出した。

 高裁は、労災が起きると事業主が支払う保険料が上がる「メリット制」を重視。事業主は不利益を受けるため、支給取り消しを求める資格があるとした。

 労災保険は、職場でけがや病気をした労働者に、賃金の一定割合や治療費などを支給する制度だ。被災者らの申請を受け、労働基準監督署が調査し、支給するかどうかを決める。

 これまで国が事業主に支給取り消しの請求を認めてこなかったのは、労災保険は被災者や遺族の生活保障の柱で、保護する必要性が高いとの考えからだ。

 だが今回の高裁判決を受けて…

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