創業122年の文具店、閉店へ 「助けタイ」、まとめ買いしたのは…

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伊藤秀樹
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 和歌山市にある創業122年の老舗文具店が、年内で営業を終了する。ボールペンの替え芯だけで400種類をそろえる豊富な品ぞろえで、地域の人から愛されてきた。

 中心市街地の県道沿いに「文房創庫オーヤマ」はある。広い店内には、ノートやペン、年賀状のスタンプやインク、手帳、シールなどが所狭しと並んでいた。家族に連れられてきた子どもが、緑色のチューブに入ったのりを手にしていた。

 11月下旬、閉店を告げる案内が店の入り口に貼り出された。店を訪れる客は一様に驚き、残念がる。SNSで閉店を知り駆けつけたという市内に住む硲愛(はざまめぐみ)さん(52)は、店を外から撮影していた。「最後に見ておきたいと思ってきました。昔からある文具店で、なくなるのは寂しい」。市内の男性(69)は「何十年もずっと利用してきた。種類が豊富で見て回るのが楽しかった。ショックですわ」と声を落とした。

 初代の孫で31年前に5代目となった大山典男社長(74)は1年前から廃業を考えていたという。「時代の趨勢(すうせい)、それにコロナやな。まだまだやりたい気持ちはある」

 1900(明治33)年、初代の大山種太郎が同市橋向丁で開いた「大山紙店」が前身。戦時中は和歌山大空襲で店舗や倉庫がすべて焼けた。45年8月の敗戦から3カ月後、市内で営業を再開。戦後は、文房具やオフィス家具、事務機器の卸業で発展。61年には文具大手コクヨの商品を扱う部門を和歌山コクヨとして独立。商売エリアは県内だけでなく三重県の一部にもおよび、最盛期は和歌山コクヨを含めて社員135人、50億円以上を売り上げた。

 小売店が減った2000年代…

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