「新幹線代もったいない」 JRパス悪用、元国会議員に猶予付き判決

高橋俊成
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 現職の国会議員になりすまして「JRパス」を悪用し、新幹線のグリーン券などをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた元国会議員山下八洲夫被告(80)=岐阜県中津川市=の判決が7日、名古屋地裁であった。森島聡裁判長は「国会議員時代に得た知識や経験を悪用した信義にもとる犯行」と述べ、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 判決は、山下被告が「新幹線代がもったいない」と考え、未返納のJRパスを悪用して犯行に及んだと認定。申込時には岐阜県の別の国会議員2人の名前を勝手に使ったなどしたと指摘した上で、犯行は2カ月足らずで3回繰り返され、「常習的だ」と断じた。

 一方で判決は、被告が事件発覚後に立憲民主党岐阜県連の常任顧問を解職されたことなどを踏まえて猶予付きの判決が相当だと結論付けた。

 山下被告は衆院議員を4期務め、1998年から2010年まで民主党の参院議員を2期務めていた。閉廷後、山下被告は報道陣に対し「心から深く反省し、おわび申し上げます」と一礼し、地裁を後にした。

 「JRパス」は現職の国会議員のみが利用できる乗車券で、グリーン車を含めたJR全線に無料で乗車できる。衆参両院の事務局によると、今回の事件を受けて、JRパス利用時に駅員などに顔写真付きの身分証などをあわせて提示するよう各議員に通知した。JR東海も取材に「再発防止策として適切に確認している」としたが、詳細な対策内容については明らかにしていない。

 判決によると、山下被告は3~4月、議員用の申込書を偽造し、東京―名古屋間の新幹線特急券・グリーン券5枚(計4万2900円相当)を詐取。有効期限切れの議員用のJRパスを示して新幹線に乗り、運賃6380円の支払いも免れた。(高橋俊成)

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