第1回初めて日本人監督に託された4年 森保監督の対話路線が生み出した和

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勝見壮史 潮智史
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 東京都内の飲食店。2人の指導者が、ひざを突き合わせていた。日本がサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会出場を決めたあとのことだ。

 「話を聞かせて下さい」

 切り出したのは、日本代表の森保一監督(54)だ。相手は岡田武史氏(66)。日本がPK戦の末に16強で敗れた2010年W杯南アフリカ大会の監督だった。

【連載】森保エフェクト サッカー日本代表さらなる進化へ

 目標の8強以上にはあと一歩届かなかったが、たしかな足跡を残した日本代表。ドイツスペインを破った歴史的勝利の背景、そして未来へつなぐものは。森保一監督が日本サッカーに与えた「エフェクト(影響)」を探る。

 その後の代表監督から、経験を教えてほしいと頼まれたのは「初めてだった」と岡田氏は明かす。指揮した大会での戦い方から現代表の選手起用まで、サッカー談義は「かなり突っ込んだ内容だった」。

 W杯までの4年間を日本人監督に託す――。

 日本サッカー協会にとっても、大きな挑戦だった。過去、4年のサイクルを最初から指揮した日本人指導者はいなかったからだ。

「代表監督は外国人」既定路線を破り

 岡田氏が指揮し、日本が初出場した1998年フランス大会は3連敗。選手は国内組、スタッフもほぼ日本人だった。「世界を知らなければ、世界で勝てない」。以降、代表監督は外国人が既定路線になった。

 一方で、サッカーの本場欧州…

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