一人娘を思い残した元死刑囚の詩 無罪訴える弁護士らの催しで紹介

有料記事

吉田啓
[PR]

 一人娘や母を思い、無実を訴えながらも命を絶たれて60年。熊本市内で4日、「菊池事件」でハンセン病への差別から隔離された法廷で裁かれ、死刑となった男性を追悼する催しがあった。男性が獄中で記した詩歌が紹介され、参加者の胸を打った。

 ハンセン病患者として国立療養所「菊池恵楓園」への入所を勧告されていた男性は殺人未遂や殺人の罪に問われた。恵楓園に設けられた「特別法廷」で行われた裁判で、死刑を宣告された。一貫して無罪を主張し続けたが、1962年に死刑が執行された。今年は男性の生誕100年、没後60年にあたる。

 追悼の催しは「秋桜忌」と名付けられ、例年、男性の死刑が執行された9月14日前後に開かれてきた。過去2年はコロナ禍で中止となり、今年は台風接近で延期の後、今月4日に3年ぶりに開催。男性の無罪を訴え、裁判のやり直しである再審を求める弁護士や支援者ら約100人が集まり、男性の冥福を祈って黙禱(もくとう)した。

 今年の秋桜忌での紹介によると、男性は1922(大正11)年、県内の山村の農家に生まれ、8歳のときに父を亡くした。幼い弟妹の世話をするため、小学校を2年生で中退。成人して結婚したが、離婚して娘を育ててきたという。

 だが、51年にハンセン病患…

この記事は有料記事です。残り590文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【期間中何度でも15%OFF】朝日新聞モールクーポンプレゼント