「まだ進化できる」 豪州出身の学者・俳人が「haiku」語る
【愛媛】学者として海洋生物の研究をする傍ら、俳人として実作と翻訳で日本と世界の俳句の橋渡しをするドゥーグル・ジョン・リンズィーさん(51)が11月25日、松山大学(松山市)の人文学部学術講演会の講師に招かれた。「haikuと俳句」をテーマに英語俳句の豊かな世界や、文化の異なる人々の間で俳句を伝える難しさと楽しさを語った。
リンズィーさんはオーストラリア出身。日本に留学した際、ホームステイ先が俳人の家だったのをきっかけに俳句に親しんだ。加藤楸邨らの薫陶を受け、これまで2冊の句集を出版。一方で海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)に勤めて新種のクラゲを発見・命名したり、「深海生物追跡調査ロボットシステム(PICASSO)」の開発チームリーダーを務めたりするなど、海洋生物学分野でも実績を残している。
有人潜水船「しんかい6500」に搭乗した際の思いを詠むなど、創作と研究を両立させる中でリンズィーさんは「乾ききし水母(くらげ)の嵩(かさ)や広島忌(all dried out / the height of these jellyfish... / A-Bomb Day)」「掬(すく)う掌(て)のくらげや生命線ふかく(picking up a jellyfish... / my lifeline / clear and deep)」「影・クラゲ・雲・この俺も去り行く濱(はま)(shadows, jellyfish, / clouds, and Me as well / pass by -- this beach)」と、クラゲなどを題材にした俳句も数多く発表。句作はまず日本語で行い、漢字やひらがななど同じ語の表記の違いにも配慮しているという。
講演でリンズィーさんは、自…