三方五湖で再エネ100%遊覧船が就航 国内初、騒音や排ガス抑制
佐藤常敬
ラムサール条約に登録されている三方五湖で福井県美浜町が来年4月に就航させる遊覧船が披露された。電池を動力に太陽光発電などの再生可能エネルギーだけで航行する国内初の取り組みだ。再生エネへの転換を支援するため、原発立地自治体などに交付する国の補助金を使った。
船は全長18メートル、総トン数14トン、定員29人。町と東京海洋大学が開発した。リチウムイオン電池でモーターを回し、振動や騒音、排ガスを抑えている。船や発着場の太陽光パネルや商用電力を電源とし、電池は300キロワット時の電力を蓄えられるという。
町レイクセンターを発着場に、久々子(くぐし)湖、浦見川、水月湖の約8・8キロを運航する計画だ。貴重な生態系が残る湖や川、湿地をめぐり、ジャングルクルーズのような風情や水鳥が間近で飛ぶ姿も楽しめるとして、観光客の呼び込みが期待されている。
運航を担う「三方五湖DMO」の藤井忠男専務は「自然に優しい船にぜひ乗りに来てください」と話した。(佐藤常敬)
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