第2回ノーベル賞受賞者が街にやってきた 大学生に開かれた1週間の意味

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竹石涼子
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 賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にある10日の授賞式と晩餐(ばんさん)会をはさんでの1週間は、ノーベルウィークと呼ばれる。今年は6~12日だ。

 期間中はさまざまな行事が目白押し。今年の予定表を見ると、授賞式と晩餐会以外にも、記者会見、記念講演、ノーベル博物館へのゆかりの品の寄贈とイスへのサイン、記念コンサートなどの公式行事が続く。

 授賞式の前日には、1960年代から続く恒例のテレビ番組の収録がある。

 このほか、例年なら大使館での祝賀会や王宮晩餐会もある。今年は、受賞者によっては博物館の講演にも呼ばれている。

ノーベル賞の授賞式や晩餐(ばんさん)会が3年ぶりに「復活」します。「科学者最高の栄誉」であり、「市民の祭典」でもあるノーベル賞。自然科学3賞の取材を通してみえてきた、その素顔と課題を4回に分けて紹介します。2回目は「受賞者が街にやってきた」です。

記念講演会は無料、サインも気軽に

 行事の多くは一般公開されている。

 その年の受賞者による記念講演は無料。大学の講堂などで開かれることが多く、普段着姿の家族連れ、大学生や小さな子どもも詰めかける。

 現地で取材をした2010年は、物理学賞受賞者がトランプなどの小道具を使って講演していた。冗談で笑わせ、難しい内容もカジュアルに見せる工夫を感じた。

 受賞者にとって、研究成果がどのようなものか、どう生活に役立っているのかを説明する場であると同時に、市民にとっては、世界中からやってくる研究者たちを身近に感じられる貴重な機会でもある。

 会場のロビーでは、賞の選考をする王立科学アカデミーがつくった物理学賞と化学賞のA3サイズくらいのミニポスターが無料で配られていた。講演後、子どもたちが受賞者にポスターへのサインをねだり、受賞者がそれぞれ応じていた。まるでスポーツ選手にサインをもらうような感覚だ。

 今年は、コロナ禍で招待が延期されていた2020年と21年の受賞者による講演もある。こちらは有料でノーベル博物館で開催される。6日はブラックホール、7日は経済学、9日はゲノム編集に関する講演だ。

 高校生を対象にした科学研究の表彰では、21年の化学賞の受賞者のスピーチが予定されている。

「みんなの宝物」

 行事として受賞者がサインするノーベル博物館のイスは、館内のカフェ「ビストロ・ノーベル」で実際に使われる。イスに座るだけでなく、ひっくり返して裏側に書かれた受賞者のサインを探したり、写真を撮ったりするのも自由だ。

 受賞者は研究に関する品を寄贈する。

 小柴昌俊さん(02年物理学…

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