かんぽ不正「解雇は無効」 初判断の札幌地裁、賃金支払い命じる

平岡春人
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 かんぽ生命で不正販売が多数発覚した問題で、不正販売を理由に解雇されたのは不当だとして、北海道内の元郵便局員の40代男性が日本郵便を相手取り、社員の地位確認と解雇後の賃金の支払いを求めた訴訟の判決が8日、札幌地裁であった。中野琢郎裁判長は「懲戒解雇する理由がない」と述べ、原告の主張を全面的に認めた。原告代理人の弁護士によると、同種の訴訟は北海道、茨城、石川両県で計6件起こされ、判決が出るのは全国初という。

 判決などによると、元局員は北海道内で10年以上勤務。2020年9月、顧客1人に対し意向を十分に把握せずに、既存の保険契約を解約したうえで同種の新規契約を結ぶ「乗り換え契約」など19件を受け付けたとして、懲戒解雇された。

 判決は、男性が日本郵便の定める手続きに沿って顧客の意向を確認していたと指摘。「乗り換え契約に伴う不利益についても説明した。日本郵便の審査でも契約に関する問題は指摘されなかった」として、違反行為はなかったと判断した。

 日本郵便側は、この顧客が不正販売問題発覚後の同社の調査に、「元局員に言われるがまま契約した」と説明したと主張した。これに対し判決は、顧客がそうした説明をしたのは、同社が解約に伴う損失額について不正確な説明をしたため、損失が多額になると誤解したからだと指摘。契約が顧客の意向に反して結ばれたとは認められず、「解雇は無効」と結論づけた。解雇後の賃金と賞与約1600万円の支払いも命じた。

 日本郵便は「誠に遺憾で、直ちに控訴する」との談話を出した。(平岡春人)

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