ウクライナはいかにデジタル技術を駆使してロシアと戦っているのか。ウクライナのデジタル戦略を率いる副首相兼デジタル変革相を務めるミハイロ・フェドロフ氏が取材に応じました。フェドロフ氏は31歳の元ビジネスマン。フェドロフ氏は「これは情報戦争だ」といい、あらゆる専門家がこの戦いに集結していると言います。
政府、軍でSNSを駆使
――フェドロフ大臣はもちろん、ゼレンスキー大統領や閣僚、ウクライナ軍も積極的にSNSを活用しています。
私はこの戦争が重火器による戦争だけではなく、テクノロジーの戦争、情報戦争だと思っています。
だからこそ、SNSを使って、真実を広めることが大事なのです。私たちは、テレグラムなどSNSのあらゆるツールをつかっています。
ロシアのプロパガンダが日を追うごとに効果が薄れているのがおわかりでしょう。ここで、鍵になるのは我々の大統領です。毎日、何が起きているのかを(SNSを通じて)語りかけています。SNSの使い方を知っており、強力なサインを世界全体に送り続けています。真実はプロパガンダより強いのです。
大統領は私たちのメインスピーカーです。世界が耳を傾け、注意を払ってくれます。
ウクライナでは携帯アプリを経由して40万件以上の敵の情報が集まり、作戦につながっているといいます。世界中から人材を募った「IT軍」の実情などとともに、記事後半で聞きます。
私は(ビジネスマンとして)…
- 【解説】
ロシアの情報戦理論家として知られるパナーリンは、これからは「情報作戦部隊」というものが必要だと1990年代から主張していました。 記者、Webデザイナー、プロバイダーから通信事業者、外交官までを網羅して情報戦を展開する能力が必要だという当