「ゴッホにトマトスープ」広げた波紋 美術館側も「気候変動は危機」

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西田理人 田島知樹
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 世界中の美術館で名画にスープやオイルが投げつけられるなど、環境活動家らの抗議運動が過激化している。政治的主張を世に知らしめるために、なぜ芸術作品が標的になるのか。運動の先には、何が待っているのか。

 トマトスープにまみれたゴッホの「ひまわり」の動画が今年10月半ば、衝撃とともにSNS上で拡散した。英国の環境保護団体「ジャスト・ストップ・オイル」(JSO)の20代の女性メンバー2人が、ロンドンのナショナル・ギャラリーに飾られていた同作にスープをぶちまけ、こう訴えた。

 「芸術と命、より価値があるのはどちらか」「地球や人々の保護と一枚の絵を守ること、いったいどちらを気にかけているのか」

 ガラスに覆われていた作品に大きな損傷はなかったものの、同様の行為は世界各地で発生。モネ「積みわら」(ドイツ・バルベリーニ美術館)や、フェルメール「真珠の耳飾りの少女」(オランダ・マウリッツハイス美術館)、ゴヤ「裸のマハ」「着衣のマハ」(スペイン・プラド美術館)、アンディ・ウォーホル「キャンベル・スープ缶」シリーズ(オーストラリア国立美術館)などが相次いで標的となった。

ゲリラ行為の舞台となった美術館

 社会運動が絵画や彫刻を標的にするのはなぜか。東京芸術大学の毛利嘉孝教授(社会学)は「様々な意味や文脈を背負った芸術作品を狙うことで、破壊行為自体も象徴的なパフォーマンスとなりうるため」と分析する。人種差別の撤廃を掲げて米国から世界に広がった「ブラック・ライブズ・マター」では、奴隷貿易に関わっていたとされる人物の銅像が引きずり倒される例もあった。

 また、美術館という場が近年、抗議活動などのパフォーマンスの舞台となってきたことも関係しているのではないか、と指摘する。

ゴッホの絵にトマトスープを投げつけた環境活動家は、「私たちはサフラジェットからインスピレーションを得ている」と語りました。サフラジェットとはいったい何か。記事後半で紹介します。

 英国ではたとえば、美術館と…

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