50カ所以上で武器押収 極右組織に元空挺部隊指揮官や医師も

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ベルリン=野島淳
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 ドイツの極右組織によるクーデター未遂事件で、7日にあった家宅捜索で、50カ所以上の倉庫や家屋などからライフルや弾薬などの武器が押収された。捜査当局は、組織に実際に政府を転覆するほどの力があるとはみていないが、「実行部隊」の構成員に現役軍人などが含まれていたことに強い懸念を示している。

 連邦議会の襲撃などを狙ったとされる今回の事件では7日、元貴族の子孫で「ハインリヒ13世ロイス公」を名乗る71歳の主犯格の男のほか、24人が逮捕された。現時点で計54人が捜査対象となっている。

 家宅捜索は7日、約3千人の捜査員が11州の約150カ所を対象に実施し、50カ所以上で武器が発見された。捜査はイタリアやオーストリアにも及んだ。

 独シュピーゲル誌によると、ライフルや弾薬のほか、ピストル、ナイフ、スタンガン、戦闘用ヘルメット、暗視装置なども押収されたという。

 ドイツ連邦刑事庁(BKA)のホルガー・ミュンヒ長官は7~8日に公共放送に出演し、押収物などの調べによって、容疑者がさらに増える可能性を示した。

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