これ、いじめじゃないの? 7歳の手紙に動く市役所に評価と懸念

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新谷千布美
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 「学校のトイレ嫌や」

 2021年夏ごろ、大阪府寝屋川市の女性(38)は、もうすぐ7歳になる長女がこぼすのを聞いた。

 春に小学校に上がったばかり。学校のトイレは和式。家は洋式のため、慣れないせいかと思っていた。

 9月になると、「学校に行きたくない」「トイレに入っていると扉をドンドンドンドン強くたたかれる」「いつも同じ子にされる」と話すようになった。

 長女には「直接『やめて』と言ってみたら?」「先生に相談したら?」と声をかけた。

 抵抗があるようで、長女は学校に通い続けはしたものの、悩む様子が続いた。

 担任の先生に相談しようか考えていると、ある日、長女が「市に手紙を出したい」と言い始めた。

 女性の住む寝屋川市ではいじめ対策として、毎月、公立の小・中学校の児童・生徒へ配っているチラシがある。A4判で、こう書かれている。

 あなたが感じる「いじめ」について、手紙で教えてください――

 チラシの下半分には、二つ折りはがきの形が印刷されている。

 切り取って封をすれば、外から中身は見えない。切手を貼る必要もなく、そのままポストに投函(とうかん)できる。

 宛先は市役所の「危機管理部監察課」。教育委員会とは別に、19年10月に市長部局で新設された、いじめ対応にあたる部署だ。

 女性自身もチラシに見覚えはあり、「書いてみたら?」と言った。親に見せることもなく1人で書き、ポストに投函。金曜日のことだった。

首長の下にいじめ対応の専門組織を設ける自治体が、全国で相次いでいます。中でも注目を集める大阪府寝屋川市の取り組みとは? 記事の後半では、課題についても考えます。

 すると週明けすぐに、監察課…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年12月10日7時34分 投稿
    【視点】

    2013年につくられた「いじめ」の「定義」には功罪がある。功は、素早く被害者保護につなげられることだ。一方、負の面は、「相手が嫌がることはいじめになりますよ」と散々刷り込まれた子どもたちが、相手が何を嫌がるかわからないがゆえに、お友達とコミ