有望視の陳氏は横滑り、環境対策担当は出世…中国主要市トップに明暗
10月の中国共産党大会の後も調整が続いていた中国主要都市のトップ人事が、8日までに固まった。
直轄市の一つ天津市のトップとなる党委員会書記には、同じ直轄市の重慶市党委会書記だった陳敏爾氏を起用。重慶の後任には袁家軍・浙江省党委書記を充てる。習近平(シーチンピン)国家主席の側近の登用が目立つが、実績は厳しく査定されたとみられ、明暗が分かれてもいる。
党全体のトップ24にあたる政治局員のうち、地方のトップも兼ねるのは北京、上海、天津、重慶の4直轄市と広東省、新疆ウイグル自治区の書記を務める6人となる。この6地方は政治局員が治める態勢が定着しており、他の都市より重視されていることが分かる。
天津市の書記となる陳氏にとって地方のトップは貴州省、重慶市に続く3カ所目。習氏が2000年代に浙江省書記だった時代の部下で、早くから出世が見込まれていたが、今回も中央入りを逃した。
陳氏が17年から書記を務めた重慶市では、習氏のライバルで同市の書記を務め、12年に失脚した薄熙来氏の人気が今も高い。「薄の毒を消せ」と再三指示してきた習氏の期待に十分に応えられなかったことが、今回の「横滑り人事」につながった可能性もある。
習氏の母校、清華大学の元学長は…
一方、今後の出世が見込まれ…