青春オンエア 心つながる 島根の高校生がラジオ番組をネット配信中

野田佑介
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 「しまね高校生ラジオ!」

 11月14日夜、島根県出雲市内にある空き店舗のロフトスペースに設けた「スタジオ」に、パーソナリティー2人の元気なタイトルコールが響いた。

 高校生が同世代に向けて発信するラジオ番組だ。友達同士のおしゃべりのようなトークが人気を呼び、リスナーの心をつかむ。

 手がけるのは、県立出雲高校の生徒たち。8月から2週間に1回のペースで収録し、これまでに9回、ネット配信してきた。

 番組立ち上げのきっかけは、パーソナリティーを務める布野伶(れい)さんと吉川郁哉(ふみや)さん(ともに2年)の入学後の出会い。「2人とも小さい頃から大のラジオ好き。意気投合して『よし、自分たちで番組を作ってみよう!』ってなりました」(吉川さん)

 現在の運営メンバーは5人。門脇実優(みゆ)さんと高橋優子さん(ともに2年)、芥屋向日葵(ひなた)さん(1年)の3人は、タイムキーパーや広報など裏方として活動を支える。本物さながらの番組を作るため、音のバランスを調整するミキサーと呼ばれる機械やマイクなどもそろえた。

 週末や放課後に集まって約1時間収録し、音の調整以外はほとんど編集をせず、そのままリスナーに届ける。吉川さんがおおまかな構成や時間配分を考えてシナリオを作るが、それ以外の内容は「そのときの流れに任せています」。

 隔回で社会人などのゲストを招き、高校時代の思い出や将来の進路についてなど、さまざまなテーマでトークを繰り広げる。

 この日の収録では、出雲高の卒業生で、東京のIT企業の社長をゲストに迎えた。リスナーから事前に寄せられた「人生のターニングポイントはいつ?」「やりたいことが見つけられないがどうすればいい?」などの質問を、ゲストに次々とぶつけていく。予定の1時間はあっという間に過ぎた。

 収録を終えたパーソナリティーの2人は「きょうも楽しかった!」と声をそろえ、充実感に満ちた表情を浮かべた。「新しい発見があり、これまでにはなかったつながりができる。世界がどんどん広がっていくから、おもしろくて仕方ない」と吉川さん。

 ただ、自分たちだけが楽しければいいというわけではない。吉川さんは「多くの人が協力してくれたから、僕たちは夢をかなえられ、たくさんの刺激を受けている。今度はその刺激をリスナーに届けることで、夢や目標に向けて一歩踏み出すきっかけにしてもらえればうれしい」と話す。

 しまね高校生ラジオは、音楽配信サービス「Spotify(スポティファイ)」で無料で聴くことができる。(野田佑介)

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