「やりっ放しにしないで」 核廃絶へ若者らが「賢人」に伝える願い

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岡田将平 黒田陸離 興野優平
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 核兵器を持つ国と持たない国から有識者の委員を招き、広島市で10日に開幕した「国際賢人会議」。被爆者平和活動に関わる若者たちも委員と対面した。被爆地の思いを伝え、「核兵器のない世界」に向けた一歩となることを願う。

 「きょうはお話しできてとてもうれしいです」

 広島県府中町の八幡(やはた)照子さん(85)は10日夕、国際賢人会議の委員に向けた被爆体験講話(非公開)を任され、英語でこうあいさつした。

 8歳の時に爆心地から約2・5キロで被爆した。八幡さんによると、爆風で体が飛ばされたことや学校で遺体が火葬されていたことなどを語ったという。

 2013年、国際NGO「ピースボート」が催す世界一周の「証言の航海」に参加した。被爆体験を語りながら、各地を巡り「同じ時代に生まれ合わせたのは奇跡。だから平和に暮らさないと」と身をもって感じた。

8月から英語で証言

 19年から広島平和記念資料館などで体験を語る「証言者」として活動。当初は日本語だけで話していたが、「亡くなった人たちがどんなに生きたかったか、どんなに苦しかったか、自分の声で海外の人に訴えたい」と英訳してもらった原稿を読む練習を続け、今年8月から英語で証言を重ねている。

 「核兵器が使われれば、地球は滅亡に向かうのに、なぜ1万何千発もあるのか」。そう思う。ロシアによる核兵器使用の威嚇や、日本の防衛費増額にも危機感を感じる。

 講話には「対話を重ねて、核…

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