防衛増税に反対する自民議員が会合 「内閣不信任案に値する」との声

自民岸田政権

森岡航平
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 「内閣不信任案に値する」「財務省の陰謀だ」――。岸田文雄首相が防衛費増額の安定財源として増税の検討を表明したことについて、増税に反対する自民党議員が13日午前に会合を開き、岸田首相へ反発姿勢を鮮明にした。

 会合は、増税による財源確保に慎重な立場の城内実衆院議員らが呼びかけた。自民議員20人程度が出席し、意見を述べた。

 複数の出席者によると、参加議員からは「増税方針を決めるまでの岸田首相の決定プロセスはあまりに乱暴だ」などの批判や、「増税する税目などを税調幹部だけで一方的に決めるようなことになれば政局になる」と首相を牽制(けんせい)する発言があった。さらには、「内閣不信任案に値する」といった批判まで飛び出したという。

 財源確保策として、東日本大震災からの復興特別所得税の仕組みを転用することが検討されているが、「税の目的外使用だ」といった指摘が出た。また、増税の検討そのものを問題視し「防衛費に悪い印象を与えるための財務省の陰謀だ」といった意見も出たという。

 会合では、萩生田光一政調会長について「増税を明確に否定していない」などと、萩生田氏の姿勢に対する不信感の声もあがったという。(森岡航平)

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    内田晃
    (朝日新聞政治部次長)
    2022年12月13日21時3分 投稿
    【視点】

    そういえば、先の臨時国会では、野党第1党の立憲民主党も内閣不信任決議案を出しませんでした。自民内から「不信任案!」との声まで出る防衛費増額への反対論は、どういうものなのでしょうか。 ひとつは手続き論。「プロセスが乱暴だ」というのがこれ

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