疲れても帰れず…さらに罵倒 トラックドライバーの長時間勤務にメス

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松本真弥 沢路毅彦
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 2024年からトラックドライバーの長時間労働が見直されることになる。一方、残業時間が規制されることでドライバー不足が深刻化する「2024年問題」が浮上。政府は13日、日常に不可欠なモノが届かなくなる「物流クライシス」に備え、物流の効率化などの対応方針を示した。(松本真弥、沢路毅彦)

 「あの頃の仕事を『やれ』と言われても、とてもできない」

 九州を拠点にする運送会社で、食品を運ぶ長距離トラックドライバーとして働く戸村寧宏さん(53)は約5年前を振り返る。

 九州と関西を結ぶ高速道路の運転時間だけで、休憩を挟んで片道8~9時間。加えて、複数の集荷先を一人で回った。集荷先の倉庫では、荷物の受け取りを待つ「荷待ち」の長い列ができ、1カ所で1時間以上待つこともざら。2泊3日の拘束から解かれる頃には疲れ切ってトラックで寝入り、自宅に帰れなくなってしまうこともあった。

「あれはきつかった」

 様々な取引先を回るなかで…

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    澤路毅彦
    (朝日新聞編集委員=労働)
    2022年12月15日12時17分 投稿
    【視点】

     物流の「2024年問題」は様々な論点があり、とてもこの行数では論じきれません。  記事で言及できなかった論点の一つに、「長時間労働ができなくなると、収入が減る」という現職ドライバーの受け止めがあります。この点について複数の取材相手に聞い