白馬のスキー場、夏の来場者が冬の2倍に コンサル出身社長の戦略

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聞き手・遠藤和希
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 長野県白馬村のスキー場「白馬岩岳マウンテンリゾート」で今年、春から秋にかけてのグリーンシーズン(夏季)の来場者数が過去最多を更新した。すでに冬の来場者の2倍に達し、スキー客だけに頼る経営からの脱却に成功。その仕掛け人、岩岳リゾートの和田寛社長(46)に、夏の誘客を実現した展望施設の開設など、企画の発想力の源や、経営回復の舞台裏を聞いた。

 ――コロナ禍にバブル期並みの来場者数でした。

 正直、びっくりしています。こんなに伸びるとは思っていなかった。「隠れた資産」の魅力が伝わった。

 ――11月に出版した著書「スキー場は夏に儲(もう)けろ!」で隠れた資産を探すことが重要だと指摘しています。

 実はもともと戦略論では決まり文句で「ヒドゥン・アセット」といって、コンサル時代から学んでいた。結局、田舎も企業も、今のビジネスと関係ないものを始めると成功確率は低い。自分たちがもつアセット(資産)に日の光をあてるというのは初期投資も低くでき、なんでやるのか説明しやすく、スタッフも理解しやすいと思う。

異次元の山の眺め どう生かす

 ――もともと白馬に魅力、資産があった。

 ノウハウとかを棚卸しする。それをどう生かすのか自分の目線だけでなく、ほかの人と話し合う。外の目と内の目。展望施設の「白馬マウンテンハーバー」があるが、我々もそこからの眺めがいいと知っていた。

 基本的に山の眺めは異次元だと思っている。日本離れした景色は山が近く、断崖絶壁が家のうらにそびえ立つような環境です。そこを前提にリゾートに適した飲食に関するものは外部に協力をお願いする。

 しかし、眺めるというのはどういうことか考えていなかった。

 アイデアはあっても経営も苦…

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